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「みんなのトイレ」ピクトサイン

ユニバーサルデザインを考える

誰基準が正解?


今回は、「ピクトサイン」デザインのお仕事をいただいたお話です。

みなさんも日頃トイレを利用されると思いますが、自宅のトイレ、会社や事務所のトイレ、出先や訪問先でたまたま入ったトイレ。
それらは、どのようなトイレでしょうか。
ほとんどの場合、トイレを示す「サインマーク」がトイレの前にあるのではないでしょうか。それはどんなものでしたか?

このたび、お話をいただいた、株式会社かんでんエルハート様は、健常者の他、様々な障害のある方も働かれている企業です。
そのため元々需要があったのと、それに近いトイレもあったそうですが、正式にピクトサインを新規作成しプレートを掲げようということでした。

しかしデザインするにあたり、以下のような疑問や問題が・・・
みんな(大人・子ども・男性・女性・日本人以外の人・車いすを使用している人・色弱の人等)が認識しやすいとは?「書体は?」「文字の大きさや位置は?」「ピクトはわかりやすい?」「低い位置からも見やすいか?」「英語は?」「色は?」等をクリアしなければなりません。
そこで、今一度「ユニバーサルデザイン」の概念を掘り起こし、公的機関が発行しているガイドラインに沿ってデザインしました。
 

マンセル値5以上


具体的には、「視認距離を設定し、文字の大きさを決定」するため、実際に原寸大の出力物で障がいのある社員さんにチェックしていただいたり、コントラストを高めるために、「図色と地色の明度差をマンセル値で5以上」する といった工夫もしています。

さらに、「せっかくだから「ピクトサイン」に会社のイメージも盛り込もう」といった要望にも対応しなければいけません。

その後、紆余曲折し幾度となく様々な人がチェックを重ね、ようやく「みんなのトイレ」ピクトサインが完成しました。
実際に設置されたピクトサインは、「視認性もよく、使い勝手もいい」といったお声もいただき、安心しております。
 

今回は、「ピクトサイン」デザインのご依頼でしたので、実際のトイレの機能や仕様は割愛しますが、トイレの外だけでも他にも工夫がされています。いくらピクトサインを突き詰めても目の不自由な方の前には無力です。点字もトイレまで来なければわかりません。そこで、トイレ付近はセンサーによって人が近づくと、「音声」でここにトイレがあることをお知らせする機能もあります。
このお仕事で「ユニバーサルデザイン」の再認識ができたのと、ほんの一部分ですが、少しでも誰かのお役に立てたかと思うと、ちょっぴりうれしいです。

みなさんもこの機会に、身の回りの「便利さ」、「不便さ」など気付いたことを、考えてみてはいかがですか?
何か仕事のヒントになるかも?



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